夢の中にも夢はある

八十歳からは作曲を始めて、

 八十四歳でCDを発表して歌手デビュー。

年に数回はコンサートをやっていましたから、

どうも我ながらヘンですね。

奇妙なことになりました。

自分でも何をしているのかと奇怪に思うことがあります。

余計なことをしなければ、

もっと気楽で静かに暮せます。

余分なお金もつかわなくてすむ。

けれども人生はお金がすべてじゃありません。

 

人生の楽しみの中で最大最高のものは、

やはり、人を喜ばせることでしょう。

すべての芸術、

すべての文化は

人を喜ばせたいということが原点で、

喜ばせごっこをしながら原則的に愛別離苦、

さよならだけの寂しげな人生を

ごまかしながら生きているんですね。

 

ぼくの本を読む人、

テレビを見たり

コンサートに来る人には、

心の底から楽しんでほしい。

この世の惨苦、

終わらない戦争、

血まみれの惨劇、

嘘つきの政治家、

金権体質、

すべてをボクは憎悪するけれども、

怒るよりも笑いたい。

ひとときすべてを忘れていたい。

 

人生なんて夢だけど、夢の中にも夢はある。

悪夢よりは楽しい夢がいい。

すべての人に優しくして、

最後は焼き場の薄けむり。

だれだって同じだから焦ってみても仕方がない。

そう思っています。

 

-わたしが正義について語るなら(ポプラ社)-

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