ぼくの歌には「生きる」という言葉が多くなった。
 
ぼくは決して華やかな流行作詞家ではない。
 
ごく地味である。
 
「てのひらを太陽に」一曲だけでヒットソングもない。
 
しかし「アンパンマン」のテーマソングは
 
英語、フランス語、イタリア語にも翻訳されて、
 
少しずつ地下水がしみこむように広がっている。
 

もちろん作曲の三木たかしさんの名曲のおかげだと思うが、
 
訳詞は直訳に近くほとんど原詩のままなのが嬉しい。
 
ぼくは何度か「このへんで引退」と決意した。
 
目と耳が不自由で皆さんにご迷惑をかける。
 
しかし今はそんなことは言ってられない。
 

 
今日一日生きて仕事ができたなら、明日も生きてみよう。
 
仕事をしようと思っている。
 
生きているのではなく、誰かの大きな力で生かされているのだ。
 
 

生命のある限りは自分の仕事をする。
 
そんなぼくもやがて天命が尽きる。
 
それでもぼくが作った歌や、
 
「アンパンマン」は生き残るかもしれない。
 
それがぼくがこの世に生きたという証明になる。
 

 
なんのために生まれて何をして生きたのかという
 
問いかけに対するぼくの人生の答案になる。

 

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