一番うれしいこと

人間が一番うれしいことはなんだろう?
 
長い間ボクは考えてきた。
 
そして結局、人間が一番うれしいのは、
 
人間をよろこばせることだということがわかりました。
 
実に単純なことです。
 
ひとはひとをよろこばせることが一番うれしい。
 
 

美しく生まれた人は、
 
その美しさでひとをよろこばせることができます。
 
学問のあるひとは学問で、
 
絵をかけるひとは絵をかくことで、
 
歌えるひとは歌で・・・。
 
なぜおいしいお料理をつくるか。
 
お料理を食べたひとが「おいしい!」と
 
いってよろこぶのがうれしいからです。
 
 

ひとはみんな、よろこばせごっこをして生きています。
 
それが、このいかにもさびしげな人生の
 
ささやかなたのしみになります。
 
ボクらはそんなに長く生きはしません。
 
星のいのちにくらべれば、瞬間に消え去っていきます。
 
それならば、その束の間の人生は、
 
なるべく楽しく暮したほうがいい。
 
そして、その楽しさの最大のものは
 
他のひとをよろこばせることなのです。
 

-もうひとつのアンパンマン物語(PHP研究所)-

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正義を行う人は

アンパンマンは戦っていて怖くないのですか、

と聞かれることがあります。

アンパンマンも怖い時があるんじゃないかと思います。

 

アンパンマンはヒーローの役を

やらなくちゃいけないので、

自分から怖いとは言えないんじゃないかな。

ヒーローは大変なんですよ。

それから他のキャラクターは

いろいろ食べたりするけれど、

アンパンマンは泣かないし何も食べない。

なぜかと言われてもなんとも言えないんですけどね。

それから、

ばいきんまんやドキンちゃんは、

いつも自慢ばっかりしていますが、

アンパンマンは「ぼくはすごいんだ」とか

「ぼくはエラい」とか自慢しない。

慎ましいですよ。

 

正義は勝ったと言っていばっているやつは嘘くさいんです。

正義を行う人は非常に強い人かというと、

そうでもないんですね。

我々と同じ弱い人なんです。

でも、もし今、すぐそこで人が死のうとしているのを見かけたら、

助けるためについ飛び込んでしまう。

ちっとも強くはない普通の人であっても、

その時にはやむにやまれぬという気持ちになる。

そういうものだと思います。

 

火事で子どもが焼け死にそうになっているのを見れば、

その子のお母さんは周りの人が

止めても聞かずに飛び込んでいきますね。

お母さんは必ずしも強い人ではなく、

弱いお母さんだって子どもを

助けなければいけない時にはそうなる。

変わりに自分が死んじゃうかもしれないけどやる。

 

-わたしが正義について語るなら(ポプラ社)-

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夢の中にも夢はある

八十歳からは作曲を始めて、

 八十四歳でCDを発表して歌手デビュー。

年に数回はコンサートをやっていましたから、

どうも我ながらヘンですね。

奇妙なことになりました。

自分でも何をしているのかと奇怪に思うことがあります。

余計なことをしなければ、

もっと気楽で静かに暮せます。

余分なお金もつかわなくてすむ。

けれども人生はお金がすべてじゃありません。

 

人生の楽しみの中で最大最高のものは、

やはり、人を喜ばせることでしょう。

すべての芸術、

すべての文化は

人を喜ばせたいということが原点で、

喜ばせごっこをしながら原則的に愛別離苦、

さよならだけの寂しげな人生を

ごまかしながら生きているんですね。

 

ぼくの本を読む人、

テレビを見たり

コンサートに来る人には、

心の底から楽しんでほしい。

この世の惨苦、

終わらない戦争、

血まみれの惨劇、

嘘つきの政治家、

金権体質、

すべてをボクは憎悪するけれども、

怒るよりも笑いたい。

ひとときすべてを忘れていたい。

 

人生なんて夢だけど、夢の中にも夢はある。

悪夢よりは楽しい夢がいい。

すべての人に優しくして、

最後は焼き場の薄けむり。

だれだって同じだから焦ってみても仕方がない。

そう思っています。

 

-わたしが正義について語るなら(ポプラ社)-

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身近な人の幸せを願う

アメリカで学校内で銃を乱射する事件がありました。

あの時、銃を持った本人は得意な顔をしていました。

本人がヒーローみたいな気持ちでいるんだね。

ストーリーの中に入り込んじゃっているように見えました。

 

世の中が自由になると、

ポルノが氾濫したり悲しい事件がたくさん起こる。

だからといって言論の弾圧とか表現の自由を圧殺してはいけない。

良識の範囲で自発的に抑制するのが一番なんですけどね。

 

学校で管理を厳しくすると生徒は嫌になる、

うんとゆるやかにしちゃうと今度はいい方向に行くかというと行かない。

これは人間の悲しさです。

だからほどほどがいいんだよね。

 

自分の身を守るにはどうしたらいいか分からない。

良識に訴えるしかない。

儲かればいいということだけが強くなってはいけないんですね。

 

自分は自分の範囲でやるしかない。

そういう人間が少し増えていけばいいんです。

世の中には悪もある。

悪の部分が少し少なくなればいい。

 

誰だってそう多くのことはできません。

日本全体のために

良いことをしようと考えてもそんなに簡単にはできない。

 

人を助ける場合でも十人くらいは助けれるけど、

それ以上は難しい。

でも一人が十人くらい助ければ、

自分の周囲だけでもというふうにすれば、

そういう人が増えればいいのだと思います。

 

ぼくは作家ですから、

作家として人のためになることを考えます。

その気持ちはずっと変わっていません。

-わたしが正義について語るなら(ポプラ社)-

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すべての人が師です

宮城まり子の仕事を手伝っているうちに、

エンターテイメントのショーピジネスの基本は、

まず目の前の客をなんとしてでも喜ばせることだと悟りました。

 

お客さんの喜びの拍手が、自分の喜びになる。

彼女はテレビにも映画にも出演していましたが、

なんといっても生のステージの魅力にはかないません。

 

 

ぼくには師匠はいません。

すべての人が師です。

 

 

でも、一人選ぶとすれば宮城まり子かもしれません。

構成も、作詞も、演出も、ぼくはみんな宮城さんに教えてもらいました。

講義を受けたわけではありませんが、見て覚えました。

  

 

今、目の前にいる観客のハートをつかむということでは天才的な人でした。

-わたしが正義について語るなら(ポプラ社)-

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