アンパンマンの賞味期限

アンパンマンは
顔がアンパンの
スーパーマンで
恐らく世界の
スーパーヒーローの中で
一番弱い。
 
食品だから
賞味期限があります。

アンパンマンは
自分の顔を食べさせて
ひもじい人を助けます。

最初登場した頃は
先程もいったように
幼稚園の先生やPTAから

「顔を食べさせるのは残酷だ」
とクレームを
つけられたことがありました。
しかし、アンパンは
食べられる為に
この世に
生まれたのですから
もし食べられなかったら
コチコチに
乾いてしまって
棄てる他はありません。

焼きたての
一番おいしい時に
食べてもらうのが
アンパンマンの
ねがいであり本質です。


つまり
賞味期限を過ぎてしまうと
味が落ちてしまうのです。

 
そして
この賞味期限
というのは中々大切です。

たとえば
メロンをもらったとします。

メロンには
食べ頃というのがあって、
レッテルに
表示してあります。

早すぎればかたくて
青くさくてまずい。
 
過ぎれば
ガクンと味が落ちて
にがっぽくなる。

高価な果実も
タイミングを失すれえば
安い普通の瓜に劣る。

食品類は
ほとんどすべてそうです。

そして、人生の幸福は
各種ありますが

食品を
おいしいタイミングで
食べるということも
たしかにいろんな
幸福の中の
ひとつといえます。


賞味期限は
三ヶ月ぐらいという
長期にわたるものもあれば
寸秒を争うものもあります。

焼き魚とか
汁とか
煮物のたぐいは
秒きざみということが多い。

焼き芋
じゃがいも
卵焼きはアツアツに限る。

鯛焼きもそうです。
鯛焼きの
冷えたのなんてもう
別の食べものです。

冷え鯛焼き
ともいうべきもので
しっぽがぐんにゃりでは
どうしようもない。

電子レンジであたためても
中心部が舌を焼くほど
熱くはなるが焼きたての
香ばしさはありません。
 
ビフテキだって
さめてしまえば
ただの肉。

この原理を応用したのが
鉄板焼きとシャブシャブで、
あれは
つくりたてでなければ
単に残り物の
オカズみたいな
みっともないものですよ。

そこで
我が家の食卓は
キッチンの流し台に
くっつけて
置いてあります。

料理は瞬間的に
食卓に移動する。
ボクは台所で食べています。

賞味期限が
とび去らないうちに
口の中へ入れる。
これは
もう絶対うまい。

あんまり
上流家庭では
この喜びは味わえません。

何も
高級料理へ行く必要はない。
家庭料理のありあわせで
充分すぎるほど充分です。

炊きたての上質の御飯に
高品質の梅干し
だっておいしい。

缶詰みたいなものは
賞味期限が長い。

期限切れのレッテルを
貼りかえて
出荷するという
スキャンダルが
発覚したことがあります。

これはもうどんなに厳重な処分をしてもいい。

 
許されない罪悪です。
こんな非良心的なメーカーは
メーカー自身が期限切れになって
倒産するのは目に見えています。

 
アンパンマンは毎日顔をとりかえるし、
汚れたり雨にぬれればいさぎ
よく棄てて新しいものととりかえます。
 

 
賞味期限を厳格にまもる
スーパーマンだから
ロングセラーになっていると
ボクは思います。

作品について


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