人間が一番うれしいこと

人間が
一番うれしい
ことは何だろう?
長い間
ボクは考えてきた。

そして結局
人間が
一番うれしいのは
人間をよろこばせる
ことだということが
わかりました。
実に単純なことです。
ひとはひとを
よろこばせる
ことが一番うれしい。


美しく
生まれたひとは
その美しさで
ひとをよろこばせる
ことができます。

学問のあるひとは
学問で
ひとをよろこばせる
ことができます。

絵をかけるひとは
絵をかくことで
ひとをよろこばせる
ことができます。

歌えるひとは
歌で
ひとをよろこばせる
ことができます。

なぜおいしい
お料理をつくるか。
お料理を食べたひとが
「おいしい!」といって
よろこぶのが
うれしいからです。

ひとはみんな
よろこばせごっこ
をして生きています。


それが
このいかにも
さびしげな人生の
ささやかな
たのしみになります。

ボクらは
そんなに
長く生きはしません。
星のいのちに
くらべれば
瞬間に
消え去っていきます。

それならば
その束の間の人生は
なるべく楽しく
暮らしたほうがいい。

そして
その楽しさの
最大のものは
他のひとをよろこばせる
ことなのです。

ボクは
才能うすく
うまれつきました。
外見的にも
パッとしません。

ちいさい時に
父親を失い暗い
性格に育ちました。

でも
どうしても
全力をつくして
ひとを
よろこばせたかった。

特にボクは
ひとがうれしそうに
笑う声が好きです。
ひとが笑うと
ボクもうれしくなります。


だから
長い間苦労して
やっと
漫画家になりました。
いまは
絵本を主にかいています。
ボクは大芸術作品を
かきたいと思ったことは
一度もありません。

「面白いですか。
ボクの本は面白かったですか」
とそのことばかり
心配しています。

それにしては
あまり面白くありませんが
それは才能が
うすいせいで残念です。

ただ
一生けんめいにやります。


テレビで
ふざけてばかりいる
番組があります。

みんな
大笑いしているが
ボクは少しも
おかしくありません。
それどころか
不愉快な気分になります。

ああいう
笑い方は嫌いです。
あんな下品な感じでなく
笑いたいし
笑わせたい。
そう思ってやっています。
それがボクの
ボランティアの心であり、
そしてまた
ボクの
最大のよろこびです。

ボクはおかげさまで
楽しく生きています。

作品について


もうひとつのアンパンマン物語

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