書籍/BOOK

やなせメルヘン名作集

著者
やなせたかし
出版社
カザン

内容

創刊100年を超える老舗雑誌月刊『食生活』の連載「やなせメルヘン」より初期の名作を復刻しました。大人になりたくないおたまじゃくしのためのメルヘンです。

もくじ

1

出版によせて/やなせたかし

2

おたまじゃくしの歌

3

きゅうり電話

4

シグレ博士の実験

5

風の中のエレ

6

ノロサクの標本

7

シドロ&モドロ

8

サボテンの花

9

淡雪評論

10

カナリヤ恋のはじまり

11

まちがいさがし

12

最後の箱

13

水仙の勲章

14

夕やけ色の水着

15

海洋新聞

16

名優

17

アサネボー

18

七転八起

19

秘境の人

20

ぶなの林の若いぶなの木

21

無言会話塾

出版によせて

原稿用紙三枚(1200字)の創作メルヘンを「食生活」に三十六年間の長期にわたって連載したが、この約四十年間にぼくの人生のクライマックスのすべてが集約されているといってもいいと思う。
月刊誌「詩とメルヘン」を創作して編集長を勤めその他に二冊の雑誌を同時進行で編集して、すべてに連載があり、絵本の「アンパンマン」をかきはじめて繁忙の日々。
短編とはいいながら、メルヘンの連載は苦しくて、毎月書きあげるとホッとして「いやあ、よく書けるなあ」と自分で感心していたのだからあきれる。いそがしい時は頭脳がフル回転しているせいか不思議にアイデアが湧いてくる。メルヘンといっても、世間で言っているメルヘンとはちがうような気がしたので僭越ながら「やなせメルヘン」とネーミング。書きあげると、すぐに別の仕事にかかるので何を書いたのか忘れてしまう。一度マッシロにしないと次の作品にはかかれない。
その最初期の頃の作品をなんとか単行本として、まとめることになった。絵もその当時のままのヘタクソなのをそのまま使うことになった。恥ずかしいがしかたがない。
読みかえしてみると、自分でいうのはおかしいが意外と面白い。今では第三者として他人の作品のような感じだが、毎月、毎月、苦労して、この仕事がなければ少し楽になれるのにとぼやきながら書いていたのも今になってみるとなつかしい。そして、いつのまにかたまってしまった作品群は今ではぼくの貴重な財産になっている。
ぼくはこの短篇の中から、いくつか加筆修正して別の作品にしたり、ラジオで遠藤泰子さんの朗読で放送したりした。
全く手を加えず原型のままの初期作品集が「食生活」の出版元から出版されることはぼくにとって望外のよろこびである。
できればこの本が少しでも売れて、出版社にわずかな恩がえしができればいいのだが、さてうまくいくかどうかはわからない。
みじかいメルヘンで、どこかに気まぐれに読んでも簡単に3分間で読める。丁度熱湯をそそいだインスタント食品ができあがる時間になっている。キッチンで砂時計の代用として一篇読んでください。退屈しません。

本について

項目
内容
単行本
63ページ
出版社
カザン
言語
日本語
ISBN-10
4876895996
ISBN-13
978-4876895991
発売日
2009/11(復刻版)
梱包サイズ
21.4 x 15.4 x 1.2 cm