書籍/BOOK

三枚劇場

著者
やなせたかし
出版社
近代文芸社

内容

「シンデレラ」「白雪姫」など誰もが知っている名作をやなせ流にひとひねりした大人のためのメルヘン集。全部原稿用紙3枚で書かれ、3分間で読むことができる「三枚劇場」。

もくじ

1

真説 シンデレラ

2

真説 白雪姫

3

真説 眠れる森の美女(前編)

4

真説 眠れる森の美女(後編)

5

真説 ヘンゼルとグレーテル

6

真説 人魚姫

7

魔女の塔(グリム童話ラプンチェルより)

8

ファラーダ

9

王さまの匂い

10

正直爺さん

11

桃太郎

12

金太郎

13

幸福な牛

14

ユメコさんと白馬の騎士

15

月夜の童話

16

クリコ

17

憂愁少年像

18

昆虫記

19

栗鼠島の反乱

20

鮟鱇の火

21

ドドの谷

22

ナマケモノ

23

ベランダのプテラノドン

24

カナカナカナ

25

きのせい

26

浜辺の歌

27

28

アゴさん

29

江間先生の授業

30

ティッシュマン

31

M君の絵

32

ぶなの林の若いぶなの木

33

KAS-TUKI

34

ハニーの剣

35

黄色い踊り子

まえがき

自分でやなせメルヘンというのは変だが、他のメルヘンとはひと味ちがう全くぼく風の味つけになっている。
全部原稿用紙三枚でかいているから、三枚劇場である。三分間で読むことができる。
約二十年も「食生活」という本に掲載しているから、全体では二百篇ぐらいあって現在もつづいている。
その中から三十篇をえらんで本にするというのはむずかしい。
ぼくのメルヘンを読みなれていない人も多いと思うので、誰でも知っている「シンデレラ」「白雪姫」あたりからはじめてみた。大人になってからメルヘンを読んでみると子どもの時と全くちがった世界がひらけてくるのが面白くてたまらず、次から次へと読んではパロディをかいた。ところがびっくりしたことに、なんとなくお話がつながってはじめの方は連作になっている。
あとの話は甘いのにがいの、いろいろとミックスした。
「憂愁少年像」などに相当にがい話である。
三枚劇場でおたのしみいただければ幸いである。みじかいけれど長篇の大作よりも中味は充実していると作者本人は思っている。

本について

項目
内容
単行本
150ページ
出版社
近代文芸社
言語
日本語
ISBN-10
4773360437
ISBN-13
978-4773360431
発売日
1997/4/1
梱包サイズ
19 x 12.4 x 1.4 cm

あとがき

やなせメルヘンと自分で命名した原稿用紙三枚のメルヘンをもう二十年以上もかき続けている。いつのまにか二百篇を越すお話しがたまってしまった。
誰にも認められず、また収入にもならないのになぜこんなに長期間かき続けてきたのかその理由はよく解らない。短篇といってもひとつのお話を考えつくには長篇とおなじくらいの集中力が必要である。
あまりにも仕事がいそがしい時には連載をやめたいと何度も思った。
しかしそれでも中断せずに書き続けたのはやはりこの仕事が好きなのである。
この本を編むために作品をえらび、読みかえしてみた。不覚にも「江間先生の授業」で涙ぐんでしまった。自分の作品で作者が感動しているというのは本当にお恥ずかしい。
これから先もぼくの短篇メルヘンを読んでくださる人はそんなに多くないと思う。
でも、昔かいたメルヘンの集の中から、「アンパンマン」も「やさしいライオン」も生まれて、それはぼくの代表作ということになっている。
これから後も死ぬまでぼくはかき続けていくことになると思う。
そして、この本を出版してくださった近代文芸社に篤くお礼を申しあげたい。