書籍/BOOK

十二の真珠

著者
やなせたかし
出版社
復刊ドットコム

内容

元祖「アンパンマン」収録。やなせたかしの原点がここにある!やなせたかし幻の初期作品集、ついに復刊。元祖「アンパンマン」をはじめ、名作「チリンの鈴」など心あたたまる珠玉の短編童話を十二話収録。

もくじ

1

バラの花とジョー

2

クシャラ姫

3

天使チオバラニ

4

チリンの鈴

5

アンナ・カバレリイナのはないき

6

アンパンマン

7

星の絵

8

風の歌

9

デングリ蛙とラスト蛇

10

ジャンボとバルー

11

キュラキュラの血

12

十二の真珠

はじめに

〈新しい「まえがき」〉
「十二の真珠」を復刊できることになり、ぼくはうれしくて恥ずかしい。
ぼくは漫画家としてスタートしたが、童話をかきたいとずーっと思っていた。ぼくの読みたいような童話がなくて、自分でかいて自分で読むよりしかたがなかった。
ところが昭和四十三年に雑誌「PHP」から一年間の短篇童話の連載を依頼された。これはその前年に「PHP」にかいた「やさしいライオン」が読者に非常に評判がよかったからだと思う。
ぼくは十二の真珠を並べたような十二篇の童話をかこうと思って一番最後の童話のタイトルは「十二の真珠」と、かく前から決めていた。
今読むと非常に恥ずかしいが、ぼくのその後の作品の基本型はすべてこの十二篇の中に含まれている。未熟であってもぼくには大切だ。
連載が完結した時、それを単行本にしてくれるのはサンリオ社以外にはなかった。
この本は何の宣伝もしなかったのに版を重ねて、たしか七版くらいまではいったと思うが、そのあとは絶版になっていた。
復刊するのにはかきあらためたい部分もあり、特に絵は全面的にかきなおしたかったが、これはやはり原型のままにしておくべきだとの意見にしたがった。カバーのみ新しくした。お読みになれば現在ぼくの代表者になり子供たちのアイドルになっている「アンパンマン」もすでに登場していることに、おどろかれる人もいると思う。
「あの頃のやなせさんの方がよかった」という読者もいる。
これは新しくかいた「まえがき」で昔の「まえがき」は次のページにそのままのせておく。
(一九九〇年)やなせたかし

本について

内容
詳細
単行本
126ページ
出版社
復刊ドットコム
言語
日本語
ISBN-10
4835449010
ISBN-13
978-4835449012
発売日
2012/9/22
梱包サイズ
21.2 x 15 x 1.6 cm

あとがき

自分の作品の「解説」をかくというのはてれくさいところもありますが、私が大変な「解説」ファンで、「解説」を読むのを楽しみにしていますので、私とおんなじ心の人をがっかりさせてはいけないとおもってかきます。
ですから「解説」を読むのは大嫌いという人は、ここは読まない方がいいのですね。
でも中にはふしぎな人もいて、大嫌いといいながらわざわざ読んで、「うーん、解説なんかかいて、この作者は何という軽薄で、イヤミな奴だ。大体、作者は純粋に作品だけで勝負すべきなのだぞ」と怒っているのです。
そういう人もまた一種の「解説」のファンであって、まったく怒ることがなく、あくまでもすっきりできているとかえって困ったりします。
とにかく、私は蛇足が大好きで、というのは私自信がまったく人生の蛇足みたいな存在だからなのかもしれません。
この十二のメルヘンは昭和四十四年の一月から一二月まで「PHP」に毎月連載したものですが、この仕事をたのまれた時、私はうれしくてたまらなかった。仕事の中でよろこんでやるのと、ゴハンをたべるためにやるのと二種類ありますが、これはゴハンをたべなくてもやりたかったのですよ。
それにしても一話四ページ、四百字づめ、三枚というのはむずかしかったですねエ、どうしても十枚をこえてしまうのです。本当のことをいうとこの本にする時、もう少し長くかきなおそうと考えたのですが、「チリンの鈴」と「ジャンボとバルー」だけを二十枚にかきなおし、あとは発表した時のままの姿にしておきました。三枚に圧縮したために、またべつの面白さがでたところもあって、これはこれでまたいいのではないか、機会があれば、この三枚が百枚に変化することもある、それはまた、その時のことであります。
(以下、全話解説)