書籍/BOOK

痛感!第二の青春 アンパンマンとぼく

著者
やなせたかし
出版社
講談社

内容

味わいつくせ、人生。84歳、いまや、こわいものなし!
”分身”アンパンマンが60歳でヒットし、70歳でアニメ化された大ヒット!
そして、80代でますます多忙にして、日々愉快。
「手のひらを太陽に」の作詞家でもある筆者が語る、「傑作人生」。

もくじ

1

第一章 過疎の町にミュージアム

2

第二章 晩年の人生の目標

3

第三章 未熟児

4

第四章 押し入れの秘宝

5

第五章 痴的階級

6

第六章 銀座学校

7

第七章 地獄の黙示録

8

第八章 食糧倉庫の芝居

9

第九章 とりあえず屑屋になる

10

第十章 花ひらく

11

第十一章 超天才・手塚治虫の上京

12

第十二章 ライオンからアンパンマン

13

第十三章 悪評サクサク

14

第十四章 平成のヒーロー

15

第十五章 珍奇・第二の青春

16

第十六章 一号店の奇跡

17

第十七章 空中浮揚術に挑戦

18

第十八章 ミッシェル・カマとは誰?

19

第十九章 増殖するキャラクター郡

まえがき

「人生八十歳まで生きるとして」という文章を、ときどき見ることがあります。
ぼくは今八十四歳ですから、もう「八十歳まで生きるとして」なんてノーテンキな仮定をすることはできませんね。
もういつ死んでもおかしくない。
頓死しても「よかったですね、大従生ですよ、おめでたい」になりますよね。
一説によれば七十歳から八十歳までが老人で、八十歳過ぎれば超老人だそうです。
ほんの昨日生まれたような気もするし、延々と行き過ぎてきたような気もします。
少年のころ、弟と話しあったことがあります。
「二十五歳ぐらいでぼくは死ぬような気がする」
「兄ちゃんもそうか、ぼくもだ」
それにしても小学生の子どものくせに暗い会話をしたもんだと、なさけなくなります。
弟は予言通り二十二歳でこの世を去りました(病死ではなく海軍特攻隊としてフィリピン諸島沖、バシー海峡で戦死)。
そのほか肉親はことごとく死に絶えて、ぼくもまず六十五歳ぐらいがこの世の見納めかとひそかに覚悟して、後事はすべて妻に託する遺言書を作りました。平凡ながらも面白いこともあったし、そこそこ裕福だったなぁと死出の旅への心の準備をしていたのに、なんと妻が乳癌になり、七十五歳で生命がおわるとはまったく考えていなかったのです。(妻は長寿の家系で、妻の母は百一歳まで生きた)。
これで完全に天涯孤独になってしまったあとも不思議な生命ながらえて、しかも八十歳過ぎてから本格的に忙しくなり、ステージで歌ったりとは、われながら奇々妙々。
無残や奴と笑うもよし。

単行本

内容
詳細
単行本
135ページ
出版社
講談社
言語
日本語
JAN
9784062713566
発売日
2003/08/28
サイズ
20cm/135p

あとがき

今年でアンパンマンの最初の絵本から三十年、テレビアニメと映画が十五周年の節目の年になります。いくつかのイベントを計画して半自伝的な本も書きたいなと実は思っていたのです。でも、思っているだけでは、実現しませんよね。それに最近ますます忙しくなって、自分の時間がとれません。半分は自分が悪いのです。
ミュージカルとか、コンサートとか、晩年になってはじめたものですから、体力がなくてヘトヘトになる。それでも好きなこともしないで、ぼんやりしたまま死にたくないので、ヤケクソでやってるんですね。タイミングよく、この本の書きおろしを依頼されてふたつ返事でお引き受けしたのはいいのですが、映画絵本、シナリオ、連載の一番忙しい時期でしたが、書きはじめると案外スラスラとできてしまいました。アンパンマンミュージアムの完成からはじめて、過去へさかのぼって、また現実という構成にしました。
一番いいときにこの本を企画してくださった講談社には心から感謝しています。
もしかしたら、父親の加護のおかげかもしれません。短い期間ではありましたが、講談社には若い日お世話になり、まさにその時期にぼくはこの世に生まれたのですから。
不思議な巡りあわせはそのほかにも多いのですが、言わずにおきます。
そしてアンパンマンにも深く感謝!
あなたに逢えてよかった。面白い人生をありがとう!